寒冷な風土がつくる<br>深い旨み
寒さがつよい狭山地域ならではの特徴

寒冷な風土がつくる深い旨み

狭山茶は主に埼玉西南部の「武蔵野台地」で多く栽培されている。この地域は年間降水量が多く、水はけがよいため「上湿下乾」というチャの木の栽培に適した条件が整っている。

さらに、厳しい気候条件もとで育つチャの木は、収穫量(回数)が少ない代わりに葉が肉厚になり、旨み成分を多く含むようになる。このような風土的特徴が狭山茶の特徴の一つになっている。
武蔵野台地
狭山茶は、主に「武蔵野台地」で栽培されている。武蔵野台地は、大昔に川によって流されて来た砂や石ころの層の上に、富士山などから飛んで来た火山灰が厚く降り積もってできたものである。火山灰が積もってできた赤土の層(関東ローム層)や、その下の砂や石ころの層は、水はけがよく、雨水は地下にしみこんでしまう。このため、この台地は水田には適さず、古くから農業の中心は畑作だった。そして、チャの栽培にとっては、この水はけの良い土地が好都合なのである。
北限地帯の茶
入間郡域は、茶の栽培が産業として経済的に成り立つ産地の北限地帯に位置するとされる。このため、一番茶の摘採時期が多産値よりも遅く、5月上~中旬頃にピークを迎える。また、他の産地では、年3~5回摘採できるが、狭山茶産地では1~2回にとどまる。このため、茶畑の単位面積当たりの年間収量が少なくなってしまう。しかし同時に、摘採回数が少ないことで葉肉の厚い茶葉が収穫でき、強い蒸しと火入れ加工によって、甘く濃厚な茶の味に仕上がると言われている。
品種改良